取締役の解任と損害賠償請求

会社法務

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キョロキョロ「私は取締役です。先日株主総会決議で解任されてしまいました。会社に損害賠償請求することができますか?」

 

ニコニコ「はい,請求できる可能性があります。解任された者は,その解任について正当な理由がある場合を除き,会社に対し,解任によって生じた損害の賠償を請求することができる,という規定があります(会社法339条2項)。」

 

キョロキョロ「なるほどですね。339条2項の規定によると,解任について正当な理由があると,請求できないことになるのですね。正当な理由ってなんですか?」

 

ニコニコ「正当な理由とは,取締役の職務遂行上の法令・定款違反行為,心身の故障,職務への著しい不適任等をいいます。法令違反の典型例としては,横領や背任などの犯罪行為はもちろんのこと,取締役が株主総会または取締役会の承認を得ずに競業取引を行ったとき等ですかね。」

 

キョロキョロ「私は,能力不足と言われて解任されましたが,争う余地はありますか?」

 

ニコニコ「能力不足の具体的内容によりますので,もう少しお話を聞かせてください。」

 

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キョロキョロ「ところで,損害賠償の中身は何ですか?」

 

ニコニコ「損害の範囲は,取締役を解任されなければ残存任期期間中と任期満了時に得べかりし利益(所得)の喪失による損害です。一般的には,任期満了までの役員報酬が考えられます。」

 

キョロキョロ「となると,今月80万円で,残りの任期は1年なので12か月×80万円ですね。」

 

ニコニコ「他にも,もし退職金を任期満了時に得ることができていれば,退職金も損害の範囲に含まれる可能性もあります。」

 

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