【刑事2】めいわく防止条例違反(痴漢)の勾留阻止・勾留請求却下の事案
電車内の痴漢はこれまで数多く扱ってきました。
自白の有無,前科前歴の有無,態様の有無で事案は異なりますが,
共通するのは,
「逮捕直後から弁護士に動いてもらうこと」
が非常に重要になっております。
※ 痴漢に限らず,刑事事件すべてに共通しますが,フットワークの軽さとスピード感が重要なのです。
1,勾留阻止(検察段階)
被疑者が逮捕後,72時間以内に検察庁に送検され,検事から弁解録取をされることになります。
検事が裁判所に勾留請求すべきかどうかを判断するのです。
弁護士に逮捕直後に頼んでいれば,勾留の要件が存在しないことを記載した意見書と証拠を検事に提出し,事前に検事と面談を行うことができます(フットワークの軽さとスピード感が大切です)。
勾留を阻止することができれば,警察の留置場に泊まるのは1~2日になります。
勾留の要件がないことを立証できる痴漢の事案では,勾留阻止がほぼ可能になっています。
そのあとは,下記3へ。
2,勾留請求却下(裁判所段階)
仮に,検事に上記1の勾留請求をされてしまっても,次の日に裁判所で勾留質問というものが行われます。
弁護士に逮捕直後に頼んでいれば,上記1と同様,勾留の要件が存在しないことを記載した意見書と証拠を裁判所に提出し,事前に裁判官と面談を行うことができます(フットワークの軽さとスピード感が大切です)。
痴漢事案の場合,東京地裁では,勾留請求却下が原則になっています。
※ 当職の経験談
否認している事案や前科前歴が2回あった事案でも,勾留の要件が存在しないことを立証し,勾留請求却下を認めてもらったことがあります。
勾留請求却下が認められれば,警察の留置場に泊まるのは2~3日になります。
そのあとは,下記3へ。
3,示談交渉
上記1,2で警察の留置場からでることができれば,被疑者には日常が戻ることになります。
ただし,処分(公判請求,罰金,不起訴)が決まるまでは被疑者のままです。反省をしていることや再犯可能性のないことを立証していかなけければなりません。原因を克服していいかなければなりません。
それと同時に,最も重要なのが示談です。示談が成立すればほとんどの事案で不起訴処分(前科なし)になります。被害者の連絡先を検事から聞いて,被害者に謝罪と示談交渉をしていかなければなりません。他方,検事に処分を待ってもらって,見通しを聞いたり,証拠を任意で開示してもらうなど,検事との交渉も必要になってきます。弁護士に迅速に動いてもらうことが非常に大切な場面です。
※ 当職の経験談
示談交渉は,被害者以外の方(たとえば両親など)としなければならない場合もあります。示談の場所も,振り返ってみれば,事務所だけではなく,喫茶店や弁護士会館やホテルのロビーなど,様々な場所で行いました。